「奥さんにバレたら終わり」って、じゃあ私の気持ちは何だったの?
ニックネーム:Rina様(仮名)/女性・36歳
あおい先生、こんにちは。
初めてこうして誰かに相談をするので、正直、手が震えながら打っています。
彼とは職場のプロジェクトで関わるようになり、最初はただの同僚でした。
けれど、いつの間にか距離が近づいていき、ある日彼の方から「特別に思っている」と告げられました。
彼は既婚者です。子どももいます。でも、苦しい家庭環境の中でずっと無理をしていたと話してくれて、「君といると心が安らぐ」と言ってくれたんです。
それがうれしくて、ずっと心のどこかに罪悪感を抱えながらも、彼との時間を大事にしてきました。
でも先日、彼がふと「奥さんにバレたら全部終わりだから」と口にしたんです。
…じゃあ、私は?
私の気持ちは、何だったの?
あの時間は、彼にとってはただの“バレない範囲で癒される場所”だったの?
彼はその後も優しくて、変わらず「好きだよ」と言ってくれます。
でも、私の中では、何かがポキッと折れてしまったような感覚があって。
この恋を続けるべきなのか。
それとも、もう手放すべきなのか。
自分の気持ちさえわからなくなってしまった今、あおい先生の言葉を頼りにさせてください。
「“特別”と“都合の良さ”の境界線」
Rina様、ご相談いただきありがとうございます。
「好きだよ」と言ってくれるのに、その先の未来を描かせてくれない関係。
まるで手を繋ぎながら、「でもここから先には行かないでね」と言われているような、そんな理不尽な苦しさが伝わってきました。
今回のご相談を、以下の3つの視点からタロットで読み解いていきます。
彼の本音
今の関係の本質
これからの展開と心の選択
彼の本音:ペンタクルのナイト・正位置
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ペンタクルのナイト・正位置
このカードが示すのは、「堅実さ・現状維持・責任感」。
彼はRina様のことを軽く見ているわけではなく、真剣な気持ちを持っていた可能性は高いです。
ただし、それは“感情”の話であって、“行動”に責任を持つ覚悟は見えてきません。
「家庭は壊さない。でも、あなたとは繋がっていたい」
――そうした“身勝手な誠実さ”が、彼の中にある本音のようです。
だからこそ、「バレたら終わり」という言葉が自然に出てしまった。
それは、彼にとっては“現実”であり、Rina様にとっては“否定”であるという、見えない温度差なのです。
現在の関係性:恋人・逆位置
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恋人・逆位置
このカードは、関係の選択ミス・不安定さ・優柔不断を象徴します。
今の関係は“愛情”というより、“依存”に近づいている可能性があります。
お互いが「癒し」を求め合うあまり、現実から目を背けてしまっている状態。
本当は、きちんと向き合うべき問題(奥さんの存在、子どものこと、家庭という現実)を避けたまま、感情だけでつながっている――そんな危うさがにじみ出ています。
未来の展開:カップの5・正位置
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カップの5・正位置
このカードは「失望」「喪失」「でも希望は残っていること」を意味します。
このまま関係を続けていった先に、待っているのは「期待していた未来にはたどり着けない現実」です。
ただし、このカードにはもう一つ重要なメッセージがあります。
それは、「失った先に気づく、“本当に欲しかったもの”がある」ということ。
つまり、この恋が終わってしまっても、それは“自分を失うこと”ではないということ。
むしろ、そこからRina様が「私は何を愛と呼びたかったのか」を見つめ直すきっかけになるはずです。
「彼の“都合”より、あなたの“本音”を」
Rina様、苦しい中で、この関係を続けてこられたこと。
それだけで、もう十分に頑張ったと思います。
「奥さんにバレたら終わり」――
その言葉に心が折れたのは、きっとそれまでの“信じていた気持ち”が本物だったからこそです。
でも、彼が守っているのは“家庭”ではなく、“自分の安全地帯”かもしれません。
本当に大切な人に向き合おうとするなら、「バレたら終わり」ではなく、「どうすれば一緒に生きていけるか」を考えるはずです。
「この恋が教えてくれた、あなたの優しさを誇りに」
誰かを本気で愛するって、簡単なことではありません。
それがたとえ、誰かの妻がいる人だったとしても、Rina様の気持ちは“真実”です。
それを「なかったこと」にしなくていい。
でも、その優しさや愛し方を、「自分のため」に使っていける未来へ。
もっとちゃんと、大切に扱われる恋へ。
私には、Rina様の未来が、“失うことで得られる愛”へ向かっているように感じられます。
その一歩を踏み出すとき、心がぶれそうになったら、またここに来てくださいね。
あなたの愛は、間違っていなかった。
でも、もう「報われない場所」に、居続けなくていいのです。