カップ(cups)のカードとは?-タロット占い

カップのイメージ

カップは金色の聖杯で表されます。カップは水や食べ物を中に入れておく性質から、受動性や感受性を表すものとされています。また四大元素の水に相当することから、流れや潤いを象徴します。優勝カップのように成果や実りを表すものとして使われることのあるカップですが、他にも入れた水が簡単に出ていくことから、外部からの影響で揺れ動きやすい感情や心を表しています。人との関りは悪いものだけではありません。カップを共に掲げて乾杯することで喜びを味わいます。また亡くなった人の功績を讃えて献杯したりもします。

ウェットと言うと人にべったりしたりサバサバしていない感情を表すことが多いですが、心を潤すための芸術や愛も表します。様々な芸術性を表すカップは、水のように豊かで形の自由なイマジネーションを表します。創造力や空想、無意識、霊感などは透明で目には見えません。そして形も量も自分の中だけでの自由です。このように自分の中の心や人と人との心の触れ合いを表し、交流や充足感、感動、感性といった情緒や感情がカップのテーマとなります。フォーリングやロマンスという実に幅広い心を象徴しているのです。そして攻撃的ではなく、愛に溢れていることや受動的であることから女性的なスートとされます。

カップは四大元素の中の「水」のエレメントに相当します。水はどんな色も映すため、受容的で「陰」に属し、女性的なエレメントとされます。コインよりもカップの方がより女性性が強いとされています。感じ方がテーマとなるので、行動よりも内面に注目します。具体的な行動や何が起こったかといった事実ではなく、それに対してどう思ったのかという本人の心理状態がこれに当たります。カードに描かれている人物が一人か複数かで、自分だけの気持ちなのか共有している気持ちなのかを見分けます。特に数札は幸せを求めて探し歩くも実はすでにすぐ側にあったというようなテーマにもなっています。

カップのカード 一覧

カップのキーワード

物質的ではなく「感情」や「受容性」「芸術」といったキーワードとなります。攻撃的ではなく、受け入れる広さをもっているイメージです。

カップのキーワード一覧

カップのエース

正位置

愛の始まり、溢れる愛情、新しい絆、歓喜、感受性、喜び、芸術性、満たされる、受容する、美しさ

逆位置

情緒不安定、愛への不安、不義理、愛が冷める、失恋、絆が弱まる、偽りの恋、溺愛、落胆、失望、流される、幻滅

カップの2

正位置

共感、パートナーシップ、ロマンス、深い交流、良好な人間関係、絆、協調、通じ合う、近い、統合、愛情や友情の育み

逆位置

不和、契約不成立、受容出来ない、感情の相違、一方通行、トラブル、破綻、誤解、間違った愛、分離、破談、関係性の亀裂

カップの3

正位置

協調による達成、円満な関係、集団生活の幸運、仲間意識、社交の場、連帯感、人間関係の発展

逆位置

無意味な連帯感、悪い仲間、惰性、人間関係の不和、調和しない関係、非社交的、無関心、節度がない、快楽的、暴飲暴食、贅沢

カップの4

正位置

倦怠感、欲求不満、不平不満、嫌気、退屈、飽き飽き、惰性、ないものねだり、うんざりした気分、無感動、無気力、無関心

逆位置

新しい発想、瞑想、肯定的思考、新しい関係、行動復帰、倦怠期からの脱出、切羽詰まった後に行動する

カップの5

正位置

失望、落胆、叶わない、一部損失、後悔、喪失感、覆水盆に返らず、孤独、仲間割れ、世襲、相続

逆位置

可能性発見、立ち直る、省みる、希望、希望が残されている、無意味なことの清算、ダメなものはダメ、また手に入れよう

カップの6

正位置

昔を振り返る、懐かしい感情、故郷への思い、幸せな記憶、記憶の頃に戻る、純粋な子供心、子供、約束、プレゼント

逆位置

つらい思い出、過去へのこだわり、過去への執着、甘さ、子供っぽい、記憶の更新、温故知新、成長

カップの7

正位置

夢想的、非現実的な夢、妄想、幻想、現実逃避、夢見がち、我を失う、神秘的、選択肢の多さに迷っている、精神不安定

逆位置

現実感が戻る、夢から覚める、現実を受け入れる、平常心が戻る、賢明な判断、頭の中が晴れる

カップの8

正位置

色褪せたもの、飽き飽きした状態、疲労感、興味が移る、放棄する、挫折する、未練、心残り、ものの見方が変化する、時勢の変化

逆位置

新たなものを求める、やり直す、現実を見る、区切り、考えなおす、あきらめの悪さ

カップの9

正位置

仕事の成功、人生の充実、充足感、満ち足りる、喜び、願いが叶う、裕福、サプライズ、漁夫の利、不戦勝、自信満々

逆位置

不満足、不完全、願いが叶わない、努力不足、傲慢、暴挙、油断、詰めの甘さ、欲求不満

カップの10

正位置

個人を超えた喜び、家庭の平和や幸運、団体の幸せ、永続的な絆、未来の夢、成熟した結婚、願望成就、愛の完成

逆位置

友情を損なう、家庭内のもめごと、親類への落胆、対人面の摩擦、争いが多い、組織の継承が途絶える、一族の跡取り問題

カップのペイジ

正位置

心を許せる部下、美しい若者、若々しく賢い人物、個性的な人物、想像力豊か、勉強熱心、反省心、万人に好かれる、ロマンティック、提案、アイディア、発想

逆位置

弱気、頼りにならない、妄想癖、虚言、多感すぎる、優柔不断、情緒不安定、センスの悪さ、心を許せない部下、甘えの心、ごまかし

カップのナイト

正位置

心優しい男性、美男、紳士的、誠実、穏やかな屈服、根回し、勇ましさ

逆位置

軽薄さ、多情、下心、不道徳、誘惑、女たらし、流されやすい、理想に溺れる、頼りない

カップのクイーン

正位置

家庭的な女性、献身的、良妻賢母、情け深い人物、世話好きな女性、未婚女性、強い感受性、内向性、思いやり、過保護、慈悲深い、安らぎ

逆位置

繊細過ぎる、排他的、依存心が強い、気まぐれな女性、えこひいきする人、感情に溺れる、多情、独占欲、内向的すぎる、自分を出せない

カップのキング

正位置

優しい男性、温厚な父親、穏やかな上司、世慣れた実業家、人当たりの良い男性、寛大、情緒豊か、師匠、表現豊か、芸術性、援助者、パトロン、芸術的感性、寛大

逆位置

公私混同、アテにならない、激しい気性、不誠実な言動、自信喪失、ルーズな上司、好色な男性、くどい権威者、不倫相手、不正、快楽思考、偽善、裏表の激しい性格

カップのストーリー

夢を叶えるために情熱的に動いてきた男は、自分の情熱や経験によって得た力だけでは叶えることが難しいと気付きました。今までとは違った方法を考えながら着いた街では、自分に聖杯を差し出してくれる親切な人がいました。聖杯の中には水が充分にあり、溢れて大地を潤しています。今まで経験した世界では見たこともないようなものでした。見ず知らずの他人にこのような素晴らし聖杯を差し出せるなんて素晴らしいことだ、と男は感動しました。そして街にとどまり街の人に関わってみようと思いました。

人に親切にすることが素晴らしいことであると知った男は、同じように街の人に聖杯を差し出します。すると相手も自分に聖杯を差し出してくれました。こうして自分が欲している者を相手がくれて、相手の欲しい物を自分が与える事は特別であり、愛の行き交う行為であると知りました。相手にされることで自分に自信が持てたのです。そしてより多くの人と関わるようになりました。その中でもある一人は私たちが実りのある関係であることを、もう一人は自分が純粋な気持ちで男を受け入れる事を示してくれました。

どんどん輪が広がると、差し出される聖杯も似た物となってきて、男は次第に刺激を感じなくなってきました。それはすでに過去に経験した物だからです。新たに差し出された聖杯を男はとうとう拒否してしまいました。しかしその聖杯こそが特別で、夢を実現するためには必要なものだったのです。聖杯を誰からも受け取らなくなってしまうと、次第に周囲から人がいなくなってきます。男の周りにはやがて誰もいなくなり、聖杯も倒れて中身が出てしまいました。流れた中身がどれも違ったものであると、男は今になって気づきます。違うのであればどれも受け取れば良かったのだと気付きますが、すでに男はひとりぼっちです。目の前には川が流れ、街にはたどり着けません。しかしもう少し辺りを見渡せば橋がありますが、男には見えていませんでした。

男は、自分に自信をつけたあの特別な聖杯をくれた人を思い出しました。その人の聖杯はキレイで、何よりも美しく、だから思い入れがあったのです。しかし美しい聖杯だったから特別なのではなく、交換し合っていたことが特別だったのです。しかし過去を美化して聖杯を特別だと思っている男は、本当のことに気付かないまま与えられていたことだけを思い出しています。

今まで色々な人から差し出された聖杯は、中身が最初から分かっていればちゃんと受け取ったのに。男はそう思っていました。すると男の目の前に聖杯がたくさん並べられました。どれもこれも良いものばかり入っているのが見えます。そして男は7つの聖杯のうち、一つを除いて全ての聖杯を受け取りました。それも豪華に見えていた聖杯ばかりです。しかし男の選ばなかった聖杯は唯一光を放つ特別なものでした。男は他の聖杯に気を取られ、そのことに気付かなかったのです。

満足したのも束の間、何もかも手に入れた男はやがて聖杯が空っぽで充足感がないような気がしてきました。今まで何をしてきたのかと過去をふり返ります。聖杯をキレイに並べても、もはやあの頃のような満足感はありません。男は並べた聖杯を置いてその場から立ち去りました。街に行くため川を渡ると、そこで目が覚めたのです。そして街で交換したものはキレイな聖杯などではなく、心であったと気付きました。そして男はまた街に戻ることを決意するのです。

街では一から出直しです。心を込めて相手のために聖杯を提供すると、次第に信頼関係が築け、男は聖杯の量を増やし始めました。この関係はやがて大きなお店となり、聖杯をたくさん並べることができました。男はお店を大きくして商売を上手に行っています。そしてお店や自分に満足しています。やがてかつてのように信頼を取り戻した男は、みんなから認められて家族のような関係を築いています。男はとても幸せです。男の幸せそうな姿を見て、また街の人たちも幸せな気持ちになるのでした。

カップのストーリーで得た幸せは、自分から取りに行って手に入れた幸せではありません。あくまで受動的で、人から与えられたものです。このように幸せは自分の力だけではなく人から受けることも大切であるということがカップのテーマとなっています。一人だけが幸せなのではなく、誰かを幸せにすることで自分も幸せになり、自分の幸せな様子を見てまた誰かが幸せになるのです。このように「幸せの種はすぐ隣にある」というのがカップのストーリーに隠されているテーマなのです。

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