ワンドのイメージ
ワンドは木の棒で表されます。木の棒はとても原始的なものです。自然界にあるそのままを取ってきて人間が加工もせず道具として使います。また、人間が持った最初の武器とも言われています。このようなことからとても原始的であり、生きるためにまず手に取った様子から生命力を表すスートとされています。昔は加工することを知らず、木の棒のような簡素なもので戦っていました。野心的で活力があり、刺激的なイメージの強いスートなのです。
木の棒は戦いの時は武器となりますが、歩いている時は杖となります。また家を建てる建材となったり、燃やして火を起こすことも出来ます。このように人間が生きていくために必要であり力となるのがワンドなのです。ワンドには生きるための本質的なパワーを秘めていると言われます。
ワンドは四大元素である「火地水風」の中の「火」のエレメントに相当します。火のエレメントはとても情熱的で熱く、感情豊かです。まっすぐで正義感が強く、攻撃的な特徴があります。熱いエレメントではありますが、半面冷めやすいのも性格の一つです。とても人間らしく、どんどん進んでいくイメージとなります。トランプのクラブに対応し、十二星座の中では火のグループである牡羊座、獅子座、射手座に対応します。この星座は勢いがあり情熱的で行動派であることから、同じ性質とみる事が出来ます。
ワンドのカード 一覧
ワンドのキーワード
「生命力」「活力」「情熱」といった原始的な人間のエネルギーを表すキーワードとなります。守りではなく攻めの姿勢であり、他よりも勝ち進みたがることから「攻撃的」とも取れます。カードの意味は、これらのキーワードと数字のキーワードを合わせてイメージしていきます。
ワンドのキーワード一覧
ワンドのエース
正位置
スタート、権力、新しいもの、情熱、意欲、衝動、やる気、モチベーション、生命力
逆位置
衰退、力不足、熱が冷める、不能、力の立ち消え、熱意の空回り、意欲が足りない
ワンドの2
正位置
グローバル、野心、昇進、富、財産、不動産、支配力、二者択一、犠牲のうえでの成功、自ら選択する
逆位置
自立できない、孤独、不安、無力感、空回り、トラブル、障害、恐れ、驚き
ワンドの3
正位置
発展、良い手ごたえ、繁栄、大志を抱く、未来志向、共同、協力、共同生産、事業の成功、良い交渉、事業の発展
逆位置
延滞、中断、無謀、停滞、失望、解散、途方に暮れる、後援、トラブルやもめ事が終了する
ワンドの4
正位置
調和、休息、祝福、リラックス、男女の円満、一段落
逆位置
何も起こらない、不活発、怠惰、惰性、倦怠、歓迎されていない、入りにくい、生活の悩み、装飾過剰
ワンドの5
正位置
競争、ライバル、争い事、力の融合、十人十色、内的葛藤、誰かと戦わなくてはいけない
逆位置
論争、訴訟、もめ事、謀略、長引くもめ事、謀略、長引くもめ事、喧嘩の沈静化、戦いによる消耗、一時休戦、諦めの気持ち
ワンドの6
正位置
勝利、前進、凱旋、栄光、注目のマトになる、称賛される、優越感を持つ
逆位置
敗北、前進出来ない、負けが怖い、裏切られる、脅かされる、目下との争い事、見栄だけで実力がない
ワンドの7
正位置
優勢、一人勝ち、勝ち続ける、応戦、四苦八苦、現状維持、果敢な抵抗
逆位置
優位が保てない、気力負け、圧倒される、競争の激化、優柔不断、孤独な戦い、戦いの放棄
ワンドの8
正位置
スピード、チャンス到来、次々繰り出す、良い知らせ、スピード感、突然の変化、急な知らせ、時間の流れ、問題がない様子
逆位置
渋滞、遅延、ゆっくり動く、分散、乱れ、邪魔が入る、争いに巻き込まれる、嫉妬、内輪
ワンドの9
正位置
臨戦態勢、迎撃、準備万端、様子を伺う、用意周到、困難を予期する、隠れた敵
逆位置
準備不足、出遅れる、追い込まれる、逆境、災難、障害、ダメージ
ワンドの10
正位置
限界、限度、負担、余裕がない、オーバーワーク、重い責任、プレッシャー、ストレス
逆位置
押し付けられた責任、反対、外部圧力、無理難題、責任放棄、断念、手放す、ノルマの放棄
ワンドのペイジ
正位置
メッセンジャー、人気者、素直、活発、頼りになる目下、忠実な使者、誠実な部下、潜在能力
逆位置
反抗的な人、目立ちたがり、未熟、頼りない人、信頼のない人、弱者、決断力のない人物、目立ちたい
ワンドのナイト
正位置
活動的、快活な男性、アクティブ、決断や行動が早い、冒険、チャレンジ、旅行、移転、交渉、飛躍
逆位置
短期、直情的、衝動的、トラブルメーカー、気力がなくなる、逃げる
ワンドのクイーン
正位置
強くて寛大、アネゴ肌、リーダー、気さくな女性、天真爛漫、面倒見が良い、積極的、親切
逆位置
ヒステリック、依存心が強い、ワガママ、お節介、好戦的、嫉妬深い、プライドが高い、不誠実、責任転嫁、女王気取り、魅力がない
ワンドのキング
正位置
権威者、トップ、威厳、野心家、頼れる父親、威厳のある男性の上司、寛大な人、懐の深い人
逆位置
傲慢なり−ダー、暴君、独裁者、ワンマン社長、自己顕示欲、封建的、高慢、破壊的な人、攻撃的な人、怒ると手がつけられない人
ワンドのストーリー
男は今まで頭の中で描いていた夢を叶えるため、旅立つことを決めます。まず遠くに見えるお城に行ってみることにしました。杖を片手にわくわくしながら歩いていきます。道中数々の経験を積んで、男はお城にたどり着きました。途中で手に入れたもう1本の棒を壁に固定して、倒れないようにします。過去の経験があったからこそこの棒が手に入り、お城の上で見渡せることを悟りました。そして本当の旅はここからだと思い直します。男は自分の世界を広げるためにさらなる旅を心に決めます。
男は海にたどり着きました。世界を目指すにはここを渡らなければいけません。今までのあなたの情熱によって動かされた人たちが、今度は船であなたを迎えに着ています。彼らの協力を得て男は海を渡っていくのです。船でたどりついた先には彼らの街がありました。町はとても美しく、街の住人は男の実力を知っていて皆で歓迎してくれています。今までの苦労はこの歓迎によって報われた感じがしました。心が安らげるひとときです。
男はこの街で同じ目標を持つ仲間を集めます。共に旅に出ようとしますが、今までずっと一人だったため、仲間とはなかなか意思の疎通がとれません。情熱についてこれなかったり違う方向を向いているのです。男はお互いの実力を高めようと努力します。そうしてやっと志がまとまって実力が高まってきました。男は彼らを率いて成功を治める事が出来ました。堂々と街に凱旋しますが、男はすでに次の目標を見つめています。
充分に実力がついたと判断した男は、また一人で旅に出ました。しかし敵と戦うのは彼らがいた時のように容易ではなく、一人ではとても大変なものでした。とうとう崖っぷちに追い込まれてしまいましたが、それでも高いところから敵がどう攻めてくるのか観察し、次第に形勢逆転していきました。なんとか一人で難しい場面をクリアし、さらに力をつけた男はこの波に乗って成功をつかんでいきます。波に乗っていれば成功はしますが、次第にこの状況に慣れて新しいものに挑戦する気持ちが薄れてきました。そうして次第に力が弱くなってしまったのです。
そしてある時大きな失敗をします。敵の襲撃が怖いため見栄を張って領地を広げ柵を立てました。領地の広い相手にしばらくは敵も攻めてきませんが、その代わり一人で領地を守り敵の襲撃に備えなくてはいけません。男は不安でしょうがない気持ちでいっぱいになりました。結局敵は柵を見て攻めるのをやめたため、男は襲撃に合わずに済みました。しかしこのたくさんの棒を持ってこの場を去らなくてはなりません。男は古き良き日の象徴であるたくさんの棒を持って歩きます。本当は自分が限界であれば協力を求めることも必要なのだと気付きだしました。しかし過去の栄光であるこの棒がもう何の訳にも立たないことには気付かず、重さに苦労しながら歩いていきます。誰かがこの棒を必要としている気がしているのです。
誰かのために努力するのではなく、協力者を仰ぎながら自分の道を行くことが必要なのだと男は学びます。ワンドの物語は自分を中心にして考えて進んだ物語です。誰かが自分に協力するという一方通行の関わり方を表しています。ワンドはスートの一番最初です。このストーリーは2番目のスートであるカップのストーリーに続いていきます。
タロットカードについてもっと学ぶ
⇒ワンド(Wands)のカードとは?