吊るされた男(つるされたおとこ)
男性が逆さまに吊るされている印象的なカードです。
吊るされているのに男性は苦しんだ表情ではありません。これは自ら選んだ道なのです。
逆さまになる事で全く違う視点から物事を眺める事が出来るのです。
また穏やかな表情はただ苦しむだけでなくその後に得られるものがある事に気付いています。
視点を変え認識を変える事で悟りを得ることが出来るのです。
これは活動や行動のレベルではなく意識や心理といった人間の根本を変えて覚醒する程の大きな変容です。
芽吹いた木の葉が新しい世界の訪れを暗示します。
また足を十字にしているのは人と神の交流も意味します。
そして手を後ろに縛られているのは手出しの出来ない状況であり自分ではどうにも出来ないことを示しています。
自己鍛錬や修業により苦しみながらも悟りを得られる喜びを見出しているカードなのです。
吊るされた男の正位置のキーワード
修行、忍耐、奉仕、努力、試練、着実、抑制、妥協
吊るされた男の逆位置のキーワード
徒労、痩せ我慢、投げやり、自暴自棄、欲望に負ける
吊るされた男の正位置の意味
吊るされた男の正位置は自ら苦しい立場に身を置いていることから「試練」「自己犠牲」という意味があります。
また「視点を180度変える」という意味もあり、大きな変化を示しています。
自分ではどうにも動けない状態であることから「我慢する時」「あきらめて待つ」「断念」「妥協」といった消極的なイメージとなります。
一見悪いことばかりのようですが、この我慢の時期は長期ではなく、やがて変化することが分かっていてそのための試練であることを表しています。
逆に言えば良くない状態でも変化しない方が楽であり、つらいと分かっていても良くするために打ち破るとも取れます。
【吊るされた男の正位置】恋愛・対人関係の解釈
吊るされた男の正位置では、つらい事を承知で耐える恋を表します。
今は自分を出さず耐え忍ぶ時期です。
これはパートナーがいるなら誰からも喜ばれず楽しい事のない付き合いだと言えます。
単純に楽しくないのか、何かの障害により今は黙っていなければいけないような人物なのか状況で判断します。
奉仕的に尽くすだけだったり待つだけだったりと、しばらくはつらい日々となるでしょう。
フリーなら、出会いが全くない上に自分から求める事も難しい状況です。
恋愛の余裕もないかもしれません。この時期は過ぎるのを待っているのが一番でしょう。
対人関係では、自分を抑えて相手を優先している状況です。対等な付き合いとは思えないかもしれません。
献身的に相手を支えていますが、それ以上の見返りがあるかどうかはあやしいところです。
【吊るされた男の正位置】結婚の解釈
吊るされた男の正位置なら、自分のやりたい事をあきらめて相手に尽くせるのなら結婚出来るでしょう。
この選択が良いか悪いかはあなた次第ですが、奉仕する結婚となりそうです。
自分を捨てて人生を相手に捧げて過ごせるのなら良いでしょう。
相手に必要とされる安心感を得ることが出来ます。
フリーなら、結婚に関して障害があります。自分の希望があるのなら、今は無理に条件を変えない限り結婚はできません。条件が合わない為相手が見つからず孤独を感じる事も増えます。
根拠のない自分が得するだけの条件で探すよりも、結婚に対する根本的な考え方を変えてみるのも良い経験となります。
【吊るされた男の正位置】仕事の解釈
吊るされた男の正位置なら、修業中を意味します。
まだ苦しい時ですがこの時期を超えることで一回り大きな自分となれるでしょう。
また肉体労働でつらい仕事ではありますが精神的には満たされている場合にもこのカードが出ます。
職業では介護系や看護系などの献身的な仕事やボランティア活動も含まれます。
今の仕事の厳しさは試練であり、まだ若いなら一皮剥ける為の修業と捉えましょう。
長く携わっているなら、業績が停滞し努力が報酬に結びつきません。視点を変えて従来のやり方を根本から見直しましょう。
【吊るされた男の正位置】金運の解釈
吊るされた男の正位置なら、金運のすぐの改善は見込めません。
今は停滞していて見返りはありませんが、後々に大きな変化のきっかけとなりそうなので今は少し我慢しましょう。
エネルギーを補充しているような感覚で、ジタバタしないことが大事です。
投資も新たに始めるのはやめておきましょう。お金で困っているのなら、この状況を理解しやりくりする方法をじっくり考えましょう。
吊るされた男の逆位置の意味
吊るされた男の逆位置は「無駄な自己犠牲」「無駄足」「骨折り損」「報われない」といった意味があります。
せっかくの努力が無駄であったという残念な結果に見えますが、客観的に見れば自分が好きで見当違いの努力を行っただけで、実にわがままであるとも言えます。
この思い違いが「固定観念に縛られる」「妄想」という意味も示します。
単純に「スランプ」や「八方塞がり」という意味も表します。
【吊るされた男の逆位置】恋愛・対人関係の解釈
吊るされた男の逆位置では、相手の要求に耐え切れなくなる暗示です。
好意が通じないのでわがままな相手に尽くしてももう報われることはありません。
束縛と依存の関係なので付き合いを見直しましょう。
別れが切り出せない辛い状況でもあります。
フリーなら、告白してもかわされたり、興味のない誰かから告白される等想いがうまく回らずすれ違いが起こります。
またフラれることも多く、好意のある相手に壁を作られる等悲しい恋となります。
自己価値を低くすると状況はもっと悪くなりますので要注意です。
対人関係では、自分を犠牲にして付き合いを続けても報われないので「こんなはずじゃなかった」と思う様な結果となることも。
プライドを捨てて小さい自分の殻を脱いで認識を変えるという点では、自分に利益のない相手でも付き合うことに意味があります。
しかし必ずしもそうではなく、自分に価値がないと思い込んで相手に依存している場合もこのようになります。
他に行くところがないから付き合うというのはマインドコントロールに近い状況で、友情でも信頼でもないことを覚えておきましょう。
【吊るされた男の逆位置】結婚の解釈
吊るされた男の逆位置の場合、結婚に関する決定的な障害が出てきます。
無理な相手のようですので検討し直しましょう。
このまま結婚すると虚しさに耐えがたくなり、後悔することも出てくる暗示です。
しかし引き返す勇気もない状態ですのでどちらを選んでも苦しむようです。
「誰かのため」という理由を作ってそのために通すのも良いですが、本当 はその人のためにもならないので苦しむでしょう。
フリーなら、今は結婚の時期ではありません。
ダメな時はダメなんだと納得し、焦らない心でいましょう。
結婚は相手が要ることであり自分がいくら頑張ってもコントロールできるものではないのです。
【吊るされた男の逆位置】仕事の解釈
吊るされた男の逆位置の場合、タダ働きのようなつらい状況です。
しかし断れない状況であるためどうにも報われません。拘束され淡々とこなせないほど耐えがたい状況なので、心身ともに消耗していくでしょう。
プロジェクトでは、業績は黒字に転じる見込みはなく、大きな損失を抱えてしまいます。
続けるなら今よりさらに苦しくなることを想定して覚悟が必要です。
転職なら、良い会社には巡り合えず条件は非常に厳しいようです。しかし会社に縛られていたことに気付いて辞職するのは吉と出るでしょう。
【吊るされた男の逆位置】金運の解釈
吊るされた男の逆位置の場合、お金をかけなければいけないと思い込んでいた事に気付きます。
無駄なものに気付き支出を減らせるきっかけをつかめます。
無駄な契約や見返りのない出費があれば契約を解除し、「この先いつか使うかもしれないから」という安易な展望をやめましょう。
気付いても見たくない場合はこの出費を続けてしまうかもしれません。
現実を見る事はそれほどつらいことなのですが、出費を続けるのも現実を見るのも同じくらいのつらさがあります。
果たしてどちら良いのかよく考えましょう。