隠者(いんじゃ)
雪深い山の頂に老人が立っています。灰色の外套に身を包んだ老人は、左手に杖を、右手にはランプを持っています。
ランプは真実を探す光を表し、この老人は孤独に真実を探求する隠者の姿を表します。
山というのは愚者にも描かれていましたが、人生の様々な「山場」を表しています。
老人は人生経験が豊かなはずですが、それでも道を追求して答えを探す旅をしています。
闇の中で光るランプの小さな明かりは、隠された真実です。孤独であるのは、それが自分自身を探求する旅であることを意味します。
自分自身の声を静寂の中静観できれば正しい自分の声を聴くことが出来ます。
孤独であることや静観すること、静寂であることは普段避けがちですが、ここに価値があることを指しているのです。
そして静かで寂しい闇の中でこそ希望や真実という小さな光が見えるのです。
隠者の正位置のキーワード
経験則、高尚な助言、秘匿、精神、慎重、優等感、思慮深い、思いやり、単独行動、神出鬼没、変幻自在
隠者の逆位置のキーワード
閉鎖性、陰湿、消極的、無計画、誤解、悲観的、邪推、劣等感
隠者の正位置の意味
隠者は自分を見つめる旅を続けています。
「真理の探求」や「深い思索」がキーワードとなります。
静かで孤独な様子から隠者の正位置は「静寂」「孤独」「精神性」「沈黙」「秘密」といったけっして派手ではないキーワードが、実際にカードを読んでいく上で当てはまりやすい言葉となります。
また自分自信を追求するがあまりの「非社会的」といった意味もあり、「高尚な精神」といった意味合いも含まれます。
【隠者の正位置】恋愛・対人関係の解釈
隠者の正位置の場合、秘密性が強く、周囲に言えないような秘密の恋愛を示します。
パートナーがいても大っぴらに出来ない場合や、会話が少なかったり距離を感じる恋愛をしているのかもしれません。
また関係が冷えている場合もあり、現在は冷却期間というカップルも。相手を身近に感じられない時期のようです。
フリーの場合は、気になる相手がいてもなかなか発展していきません。
アピールも地味なようです。
付き合うよりも片想いの方が良いと思うこともあり、発展させていくのは難しい状況です。
対人関係では、交流が落ち着き一人の時間を大事にしたくなる時期です。
孤独や孤立に見えても自分として一人の方が静かでよいと思うこともあります。
一人を追及するあまり偏屈にならないようにしましょう。
【隠者の正位置】結婚の解釈
隠者の正位置の場合、相手が自分を見守ってくれるような人であればとても良い相性です。
他の誰が反対しようと、二人の信じる道を進んで下さい。
慎重に行動し、妥協しすぎないようにしましょう。
認められることを第一に考える事はありません。きちんとした目標があれば大丈夫です。
フリーなら、どんな相手とそんな生活がしたいのかもう一度考えてみましょう。
ただ「結婚したいだけ」になっていませんか。
もし自分がオタクやネクラであっても、無理に自分を曲げることはありません。
じっくり考えて結婚の条件に納得しているのなら、その考えのままゆっくり探していきましょう。答えがみつかる暗示です。
【隠者の正位置】仕事の解釈
隠者の正位置の場合、細かく分析しじっくり検討することで正しい答えが見つかります。
直感ではなく研究をして根拠を求め、それに基づいた仕事をすることでうまく進んでいきます。
あなたの味方は自分の蓄積した知恵や知識であり、他人ではありません。
一つの仕事の追究が功を奏します。
自分に嘘のない納得できる仕事をしましょう。職業では高い専門性のある仕事を表します。
研究職が良く、大学の教授なども良いでしょう。職人性の高い仕事も向いています。
【隠者の正位置】金運の解釈
隠者の正位置では、使う事よりも貯める事に喜びを感じる時です。
そのまま資産を増やすのも良く、しっかりと管理出来て良い時です。
ただ減らしたくないあまりにドケチにならないよう気を付けましょう。
投資研究をするのに向いている時期です。大勝負はせず賭け事も投資も確実な額から始めるのが良いようです。
隠者の逆位置の意味
隠者の逆位置は、行き過ぎた印象のあるキーワードが並びます。
「頑固」や「偏屈」「神経質」「孤立」は行き過ぎた孤独を表します。「閉鎖的」「殻に閉じこもる」「ネガティブ思考」は客観的に見た状態です。
探求のあまり「疑い深い」「不適合」「ひきこもり」といったキーワードも含まれ、偏屈なおじいさんの印象が強い言葉が多くあります。
【隠者の逆位置】恋愛・対人関係の解釈
隠者の逆位置では、パートナーがいても公に認めてもらえない付き合いとなりそうです。
大きな壁は外だけでなく自分たちの中にもある場合があり、特に相手を疑ってしまうことも多くなります。
恋人に会えない孤独感がある一方で、相手との付き合いに疑問を持つような迷いの時期に入っています。
隠者の逆位置では不倫も意味しますので、公にできない付き合いを幅広く表します。
フリーなら、今は恋人が欲しい時期ではないようです。
華やかさよりも一人の静かさが良くなり、恋愛にあまり関心がありません。
また今欲しいものは恋愛では満たされないことも表します。現在は縁遠いので、時期を見て状況を変えていきましょう。
対人関係では、頭が固く他人の意見を受け入れないので他人との付き合いが薄くなっています。頑固な自分が原因ですが、改善を望むなら相手の話に耳を傾けたり視野を広く持つなど、解放的になることが求められます。
【隠者の逆位置】結婚の解釈
隠者の逆位置の場合、パートナーとの距離をまだ感じるため結婚に踏み切れません。
素直に心を開けない相手との関係は、この冷却期間を通してもう少し考えてみる必要があります。
性急な結婚はやめておき、焦ることなくじっくりと自分自信の心と向き合いましょう。
またそのような努力をしても答えがみつからない時期でもあります。そんな時でも気にせず時期を見てまた行動しましょう。
フリーであれば、結婚の条件を作り過ぎるあまり相手が見つからず孤立した状態です。
原因は自分にありますので、見直しの時期をみて、結婚アドバイザーや経験者などからアドバイスを求めましょう。
婚活サイトに登録してみるのも良いでしょう。不倫にはくれぐれもご注意を。
【隠者の逆位置】仕事の解釈
隠者の逆位置では、見当違いや調査不足、情報不足でうまくいかない暗示です。
閉鎖的で視野が狭くなっているので、意識して広げてみましょう。
仕事がイヤになり逃げだしたいような放りだしたい気持ちになります。
プライベートで現実逃避をして、うまくストレスと付き合いましょう。
もし転職を希望しているのなら、この時期は見つかりそうにありません。
まだ転職時期ではなく、もしごり押しするのなら納得いかなくても条件の妥協が必要です。
転職は向いていませんが、仕事の辞め時には向いています。
もしリタイアを考えているのならこの時期はすんなり進むでしょう。
【隠者の逆位置】金運の解釈
隠者の逆位置では、視野の狭くなる時期なので見当違いの物を購入したり使ってしまったりと、無駄が多い兆しです。
お金に関して頑固になったり、「この店では絶対買わない」「この人からは絶対に買わない」と考えに固執すると損をするかもしれないことを覚えておきましょう。
投資は研究不足のために損をしそうです。
資産を大きくしたり広げたり発展させるには向いていない時期なので、無駄に減らさない事を心掛け勝負に出るのは時期を改めましょう。