ニイドとは
ニイドはアルファベットではNIEDと綴ります。エルダールーンではナウシズ（nauthiz）と発音します。音価はNです。ニイドには忍耐や欠乏、窮地といった意味が付けられています。たとえば物が欠乏して飢餓感を味わっている、障害が立ちはだかり身動きが取れないでいるような状況を指します。
これらはピンチの状態であり、それゆえに身動きできず改善策を講じることもできないため、じっと耐え忍ぶしかありません。このように自由が利かず耐えているような状態を表すルーンなのです。このニイドの文字の形は、儀式用の火を表すと言われています。家畜の疫病で財産が減ってしまった時や、畑が凶作で作物が取れなかった時など、古代北欧人々にとって死活問題となりました。
そのような災害に見舞われた時、人々は2本の木を用いて火を灯し、災難を避け事態を沈静化させる儀式を行いました。ニイドはその時に用いられた2本の木を表しているとされています。また、北欧神話にある神々の父オーディン神がルーン文字を身に着けた時、自分自身に槍を突き刺して九日九夜、ユグドラシルに自ら吊り下がって苦行を行いました。
このエピソードも関連していると言われています。オーディン神のように長く苦しい状況を耐え忍び祈りを捧げることで得られるものを暗示しているのがこのニイドなのです。ニイドは変化の大きいルーンの歴史の中で失われることなく言い伝えられてきた文字の一つです。この形は長い時間の中でもほとんど変わることがありませんでした。
ニイドの正位置の解釈・意味
キーワードは「欠乏感」「忍耐」「義務や束縛」「窮地」「粘り強く努力する」「抑圧」です。ニイドは不足や欠乏の象徴であり、また制限や我慢の象徴でもあります。ニイドが出た時は、耐え忍ぶタイミングです。物理的な事情や持ち物の制限などに縛られて身動きが取れない様子を表しています。
そしてこの期間はしばらく続きます。強い精神力をもって耐えなくてはいけません。物事は思い通りになかなか進まず苦しい期間となるでしょう。しかし苦しいからといって焦ったり、無暗に動き回ってジタバタするのは良い方法とは言えません。
目指す方向も変更せず、粘り強くこの窮地を乗り切るのが最良の方法となります。この欠乏や不足、制限がある状況は八方塞がりであり、ただの不幸にしか見ないかもしれません。しかし本来はそうではなく、このような制限や縛りがあるおかげで先々に必要なものがなんであるか分かってくるのです。進む道の先が良くなるために必要な窮地と考えます。
ニイドの正位置の恋愛
動きたくても自分から動けない恋愛状況となっています。今はじっと耐えて待つしかないようです。これは相手への愛情があるからこそ起こっている状態なのです。相手を待つことしかできない、自分の想いを主張して相手にぶつけることのできない状況となります。しかし「我慢すれば必ず報われるはず」という考え方は間違いです。
自己犠牲はただの自己満足です。自分は相手の事が好きでも、相手はあなたが待つことを知っていてただ待たせているだけの可能性があります。待っていれば自分が与えている愛情が返ってくるわけではありません。我慢することで相手の愛情を感じていますか？もしそうでないのなら、今すぐにやめましょう。
愛情を感じない状況に我慢する価値はないと言えます。もし恋人になる前の片想い中であれば、今の耐え忍ぶ環境から抜け出し、新しい環境へ移る勇気を持ちましょう。今のままでは関係が発展することはないでしょう。もし恋人募集中なら、出会いを求めて行動する余裕がないようです。これではいつまでたっても変わりません。
慣れた環境を手放すことも必要なのです。勇気をもって環境を変化させ、時間を作ったり友人に紹介してもらうよう頼んだりして行動を起こしていきましょう。
ニイドの正位置の結婚
配偶者からの愛情を感じられない状況のようです。配偶者の厳格な性格やあなたの自己主張を認めないところが強く、あなたは自分の感情を抑えなくてはいけません。また、気ままでマイペースな相手の振る舞いに自分が出せずにいるのかもしれません。そのため愛情のやり取りができず、愛されている実感がないため欠乏感を味わっています。
心が通じ合っているような感覚がなく寂しい思いをしているようです。この苦しい状況が紛れるのなら、自分の好きな事を思い切り楽しんでみましょう。自分の世界に入っても良いのです。今は自分を抑えて相手に付き合うしかない状況です。変えられないのであれば、状況を楽しむしかありません。
趣味や仕事に楽しさを見出し、待つだけのつまらない時間を楽しめるようにしていきましょう。現在婚活中であれば、思い切って環境を変える事で良縁を見つけることができるでしょう。仕事の忙しさや自分を置いている環境が婚活に影響するのであれば、転職や引っ越しをするのも良い方法です。そして出会う人物に心を開きましょう。今持っている警戒心は縁を遠ざけてしまうようです。
ニイドの正位置の仕事
長い修行期間の苦しさや忍耐期間にいることを示しています。修行といっても技術職やお坊さんのような職業だけではありません。たとえば退屈な職場や、規則が多く自由の利かない職場環境などもそのような一種の修業であることを指しています。この苦痛は誰にとっても苦痛なわけではありません。
地味な仕事や毎日地道に努力し続ける仕事が好きではないために苦痛を感じているようです。変化がない仕事は確かに退屈かもしれません。しかし退屈と感じるか意欲的に取り組むかは自分次第です。このような自分にとっての苦痛な状況をより良くこなしていくために、規則正しい生活をして仕事効率を上げたり、長期目標をもって取り組んだりして進みましょう。
何でもすぐ結果が出るわけではありません。我慢をすることもたくさんあります。しかし辛抱強く努力し続ければ報われるのだとニイドは語っています。スポーツ選手のように、才能だけで成功しているように見えていて、実は何年もかかって長期間水面下で努力した者が成功を収めるのです。華やかな仕事でなくても、今の辛抱がやがて力になる時がやってきます。
あるいは単純に義務や社則、出社時間や拘束時間などの時間的な自由が利かない職場を暗示しています。長期間の勤務でなければ昇進できないような制度を表すこともあります。長く続けていてもなかなか日の目を見ないことに不安や苛立ちを覚えるかもしれません。しかし続けていなければ気付けない好転の兆しもあるのです。
ニイドの正位置の交友関係
大切ではあるけれども今の関係が息苦しいような接し方をしているのなら、それは友人ではあっても自分の感情を抑えて表面的に接しているからかもしれません。それは心が通じ合う真の友情ではなく、本音を言えないような、理性でしか付き合っていない関係と言えます。しかしだからこそ感情的にならず、喧嘩などせずに長く続いているのかもしれません。
このような関係であっても、今は待つべきです。無理に距離を縮めようとしてもうまくいきませんし、思い通りの距離感とはならないでしょう。また心の距離が縮まらない関係は不要と考えて距離を離そうとするのもまた必要のない行いです。この関係は必要となりお互いを支え合うことができますので、理性で付き合うような今までの関係を続けましょう。
ニイドが出た時は単純にコミュニケーション不足ということもあります。情が通っている感覚は少なく、物足りない関係でしょう。遠く離れているような物理的な距離や、連絡の取れないような関係なのかもしれません。今はその距離が限界であり、また適切なのだと認識しましょう。
ニイドの正位置の家庭
家庭環境は実に味気なく、感情の表現が乏しい状態です。家庭内では喜ばしい出来事や祝い事、また反省したり怒ったりするような社会では出せない感情を出す場面が多くありますが、現在はそのような感情の表現はなく、家族とも会話がない状態です。家庭では伸び伸びできる、リラックスして表現できるという心の安心がありません。
今自然とこのような状況になっているのなら、無理に振る舞うことはありません。しかし家庭内の表面的な付き合いに息苦しさを感じるのなら、感情を出すような場面を作ってみることです。たとえばお祝いにプレゼントを送ったり、美味しい料理を感想を言いながら味わってみたりするような場面を作りましょう。
家庭でのこのような行為は何か得をする事があるわけではありません。多くの場合は自然に行っていますし、楽しむために行います。それがなければ無駄に思えますが、それでも感情を出す場面をわざわざ作って無駄な行いをしてみる事が変化を起こすきっかけとなります。
ニイドの正位置の健康
ニイドは忍耐や長期間を表すルーンですので、病気に関しても時間がかかる事を意味しています。症状は良くなることもなくあまり変化なしに長く続いています。飲んでいる薬や行っている治療法をやめてしまいたくなることもあるでしょう。変化しずらい時期のようなので、もう少し時間をかけて行っていきましょう。
病気の症状などを感じない場合でも、体力不足になっているためなんとなく不調気味になっています。長く変化がない場合は体が変化しずらい状態となっています。不調になっている時間と同じ時間をかけてゆっくりと変化させていきましょう。ダイエットや食事療法は変化が見られず効果を感じにくいですが、改善には時間がかかります。
習慣づけが大事となりますので、定期的に運動を行い意識して栄養を摂って蓄積された疲労や不調の元を改善していきましょう。
ニイドの正位置の願い事
今ある願い事は叶う可能性は高くなっています。ただし簡単ではありませんし、すぐに叶うわけでもありません。その願い事は時間をかけて努力し続け、ずっと胸に抱いて思い続けていることで叶っていくのです。願い事が叶うことが理想であるのなら、その理想に近づくのはまだ先であり、努力や苦悩があってこそ叶うものであると思ってください。
長い時間を要することは成果が見られないために途中で挫折しやすくなります。しかしそれでも耐えて続けていきましょう。叶えるための思索や行動をずっと続けていくなかで徐々に叶っていき、気付いたら理想にかなり近づいていたという結果が待っています。
あなたが思う理想の世界は一瞬で叶うような簡単なものではなく、また願いを叶えるということは魔法のように目の前で一瞬にして行われることでもないのです。
ニイドの逆位置の解釈・意味
ニイドは逆位置になっても形が変わらないと言われていますが、正位置の形は斜めの短いラインが上方に付けられているのに対して、逆位置では下方に付けられています。このラインは正位置と同じように右下に下がっており、場合によってはこのラインが中間部に付けられているため、逆位置となっても変化がありません。
このように正逆の大した変化がないことから、逆位置でもニイドの持つ「忍耐」や「我慢」「身動きの取れない状況」といった意味はそのまま変化なく付きまとっている状況であると考えます。さらにこの我慢の先に待つような好転は期待できません。正位置とは違い、苦労や我慢を長期間重ねても状況が良くなっていくことが難しいと考えられています。
状況は停滞し、相変わらず身動きが取れない状況が続くでしょう。このような変化のない苦痛の中で、目的を見失ってしまうかもしれません。あきらめの気持ちが強まるでしょう。また、忍耐の方向や方法が間違っている場合もニイドで表されます。誤った方法によりさらに苦労が増える可能性もあります。
ニイドの逆位置の恋愛
もし恋人や好きな人がいて関係がうまくいかないのであれば、現在は相手への執着心で改善を図ろうと努力しています。しかしどれだけ頑張ってもこの恋には障害があり、相手があなたを好きになってスムーズに良い恋愛関係になることがありません。頑張れば頑張るほど状況や相手の心にはねつけられ、拒否されたり距離を取られたりしてしまいます。
執着心が強いゆえに頑張ってしまうのですが、それは実らない努力となってエネルギーの無駄遣いをしてしまっています。この状況は改善が難しいため、相手への執着をやめ思い切って手を引きましょう。撤退しなければ心も体も消耗するだけで、いずれ疲れてしまうでしょう。無駄な努力となっているのです。
撤退するにも勇気が必要です。この努力が実らないことを自分に納得させなければいけません。認めるのはつらいですが、恋愛においては頑張れば実るものではないのです。報われないことを静かに受け入れましょう。もし相手がおらず恋人募集中であれば、自分に自信を持つために自分磨きをしていきましょう。
それはすぐに結果が出ないかもしれません。しかし自信がなくて行動が制限されるのであれば、恋愛のチャンスも逃してしまっているのです。まずは魅力的だと思える自分を目指しましょう。それに伴って恋愛を掴めるような行動を取れるようになるはずです。
ニイドの逆位置の結婚
結婚を希望していても、障害が大きくなかなかうまくいきません。つり合わず成就しない相手への執着や、自分の取る行動、壁にぶつかった時の対処法などが原因となっているようです。これらは状況や相手が原因でうまくいかないわけではありません。自分の持つ性質が大きな原因の一つなのです。成就しない相手への執着は、自分で自分の首を絞めています。
そのような相手を選んでしまっても無駄な努力となりますので手放しましょう。相手が変わっても何度も同じパターンで繰り返して失敗しているのであれば、思い切った状況の変化が必要となります。進展しない方ばかりに進まずに、結婚に対する自分の考え方がどうなっているのか、もう一度考え直してみましょう。
間違った努力は自分の可能性を狭めてしまうのです。そこから抜け出すために引っ越しや転職など、状況をガラリと変えるのも良い方法です。骨折り損にならないよう、立ちはだかる障害をうまくかわしましょう。
ニイドの逆位置の仕事
現在の職場の環境は良いとは言えないようです。時間や物理的、もしくは精神的な縛りが強く、自分の良さを生かした仕事が出来ない状況です。過酷であり、心も体も消耗してしまっています。この環境を自分に課しても、努力が報われず辛さだけが残ります。仕事量が多くても給与は上がらず、昇進もできません。
ブラック企業を示している場合もあります。周囲からの圧力が強すぎるため、流れに逆らえずにどんどん悪い方に進んでしまいます。ちょっとやそっとでは改善は見込めないでしょう。この努力が報われない状況では、長く勤めればそれだけ大きく消耗してしまいます。負のループとなりますので、そこから抜け出すのが一番で唯一の方法でしょう。
無理をしても何の成果にもなりません。転職や退職を検討しましょう。執着という自ら選んだ行為が自らを苦しめているのです。体も疲労していますが、特に心の消耗が激しい状態です。自分でコントロールできる環境に移りましょう。仕事の内容や給与の額よりも精神的な満足を優先させましょう。充実感を得られる仕事が良いでしょう。
ニイドの逆位置の交友関係
心のつながりを持つことなく、表面的なつながりのみとなるでしょう。相手の威圧感や他人行儀の感覚が心の交流に発展できない原因となっているようです。仕事上の相手であれば、プライベートの付き合いまでには発展せず、また職場での会話も用事のみの会話となりおしゃべりは一切ないようです。
心が開けず苦しい気持ちになることもありますが、この様な状況はこの先も改善されないままとなりそうです。あなたが好意的に距離を縮めたい相手であってもうまくいきません。また付き合いが義務的になってしまっている相手では、つながりを切ることもできません。
どちらも改善は難しいため、そこに感情を入れずただ表面的な会話をするだけの関係に留めた方が良さそうです。適度に距離を置きましょう。用事がある時だけ機械的に会話をし、そういう相手だと思っておいた方が気も遣いません。またニイドの逆位置は連絡が取りたくても取れないもどかしい状況も表します。
今はスムーズに交流できずヤキモキしますが、まだ状況は好転しませんのでいったんあきらめ、状況を見守るようにしましょう。もし対人関係で体面を気にし過ぎているのなら、それが本音を出せない苦しさの原因となっているようです。
ニイドの逆位置の家庭
誰よりも一緒にいて心が休まるはずの家族に、苦しい状況を強いられているようです。あなたに対して厳しく接する配偶者や親がおり、帰宅すると心が休まらないような環境です。配偶者や親に限らず、家族が自分に対して伸び伸びとした環境を認めないため、心身共に休まらずにストレスが溜まっています。
家庭での自分の在り方を、自分ではなく厳格な家族に決められてしまっているため、家族が思う理想の枠にはめられ自由がききません。精神的に厳しい状況でしょう。頑張ることを強要されるため、自分も同じ意見であれば良いですが、そうでなければストレスフルな状況となっています。
もし自分が親の立場で子供にこのような対応をしているのであれば、子供は勉強しやすい環境ではありますが、それ以外に育まれるはずのものが育たず、人間として大事なものが失われています。子供に自由がなく自己の尊重も本音も認めていないからです。もし自分が主婦であれば、家事や育児の手抜きを認められない状況に嫌気がさしています。
料理や掃除などで上手に手抜きをしてストレスを解消しましょう。もし自分が家族に厳しく当たる立場であれば、自分が自由にしている部分を相手にも認めましょう。気を緩めることを全員に許し、管理するような気持ちを捨てましょう。家庭はそのような場ではないのです。家庭は管理する場、または管理される場ではなく、本来は憩いの場なのです。
ニイドの逆位置の健康
現在抱えている病気の症状に苦労している状況です。なかなか病気の改善が見られず、様々な改善策を試しても効果を見出せないため、精神的に辛い状況です。劇的な変化はしばらくは望めないでしょう。これは試行錯誤するなかで視野が狭くなり、自分が良いと思い込んでいる方法を試しているため、知らず知らずに自分に合っていない方法を取っている可能性があります。
まずは健康法が自分に本当に合っているのかどうかを再検討してください。治療法を誤って選択している場合もあります。いつまでも効果のない健康法に執着して効果のなさに悲観的になっていると、それだけで悪影響を及ぼします。
効果の感じられない治療法、健康法を中断する勇気を持ちましょう。効果がなくてもそのまま続けていけるほど良い方法ではありません。もしかかりつけの医師の指示なのであれば、セカンドオピニオン、サードオピニオンを求めましょう。様々な意見を聞いて自分に合っているか判断してください。間違った方法から早く抜け出すことが大切です。
ニイドの逆位置の願い事
今ある願い事は、叶う可能性がとても低い状態です。これは状況を改善するべきであるのに対して、なかなか変えられない現状となっているからです。願い事はけして突飛なものではなく、現実的で現状から逃亡したり今ある問題を改善するようなものかもしれません。しかしそれが難しいと感じるほど周りを固められ、縛られている状況なのです。
自由が少ない環境であるため、もし願いを叶えたいと思うのであれば、大きな変化が必要です。環境の変化を起こしましょう。これは相当な労力や精神力を伴わなければ難しいかもしれません。現状が固定されていますので、時間をかけて変化を起こしましょう。
すぐに簡単に叶うものではありませんので、時間を取り長期的な計画を立ててください。ゆっくりでも良いので、着実に歩みを進めましょう。神頼みや運任せでは変化は起こりません。実現のために具体的に計画し、行動していくようにしていきましょう。
